エアロトヨタコラムColumn

QGIS

QGISの地図データをCADで表示したい

この記事でわかること

・QGISで作成した地図をCADで表示できるDXFファイルに出力できます。
・DXFファイルに出力する際の注意点がわかります。


この記事は、執筆時の安定版(LTR)であるQGIS Ver3.44で作成しています。


QGISでCADに表示する地図を作成する

QGISでCADに表示したい地図を作成します。
下の図は熊本市の一部を表示したものです。
データの出典は、道路は国土数値情報の道路データを加工したもの、河川は国土数値情報の河川データ、等高線は基盤地図情報の標高点データ、建物はOpenStreetMapのデータです。
 

QGISで作成した地図

DXFをJW_CADで表示した地図

地図をDXFにエクスポートする

QGISの地図をDXFファイルに保存します。

メニュー「プロジェクト」→「インポートとエクスポート」→「プロジェクトをDXFにエクスポート」を選択します。

「名前をつけて保存」の右の「・・・」ボタンをクリックして、DXFファイルを保存するフォルダとファイル名を設定します。
シンボロジモードは線色やテキストを出力したい場合は「シンボルレイヤシンボロジ」にします。線のみをエクスポートしたい場合は「シンボロジなし」を選択します。
シンボルの縮尺は、CADで表示したい縮尺を設定します。この縮尺で文字の大きさなどが設定されます。
文字コードは「Shift_JIS」にします。
座標参照系はプロジェクトの座標参照系を選択します。
出力したいレイヤにチェックを付けます。

現在の地図領域に交差する地物をエクスポートする」にチェックすると、現在のマップキャンバスの範囲のみを保存します。
ラベルをMTEXT要素としてエクスポートする」にチェックすると、AutoCADなどでMTEXT要素を利用できます。JW_CADでは対応していないのでチェックを外します。
選択中の地物のみ使用」にチェックをすると、選択した地物のみ保存します。
OK」ボタンをクリックするとDXFファイルを作成します。

QGIS地図はCADでどこまで再現できるか?

CADによって地図が再現できる部分がもしかしたら違うかもしれませんが、この記事ではフリーソフトである「JW_CAD」で検証しました。


ポリゴン

ポリゴンの塗りつぶしは、ソリッド図形になりますが、JW_CADでは上手く再現できませんでした。
外枠の線色については、JW_CADの場合は変わってしまう場合があるようです。
JW_CADではソリッド図形を選択して削除できるので、QGISでポリゴンを線に変換する必要はありません。

図:QGISでのポリゴンの表示

図:JW_CADでのポリゴンの表示

ライン

線の色は一部変わってしまう場合もありますが、近い色になっているものもありました。
カテゴリ分類している色分けも色は変わりますが、分類はされています。
しかし、一部同じカテゴリでも色が変わってしまう線もあります。
線の太さ(線幅)はJW_CADでは再現されませんでした(JW_CADは線色で線幅を表現するため)。
ですので、JW_CADで線の太さを変えたい場合は、あらかじめレイヤを分けておくほうが、後から修正作業をしやすくなると思います。

図:QGISでのラインの表示

図:JW_CADでのラインの表示

ラベル

ラベルの文字の大きさは、DXFに出力するときの縮尺で変わってきます。
QGISでその縮尺で表示しているときの大きさとほぼ同じ大きさで出力されます。
ポリゴンのラベルの位置はポリゴンの重心位置に表示されますが、文字の基点位置は左下に変わってしまいます。
ラインのラベルの表示位置は、ラインの中間地点に表示されます。

図:QGISでのラベルの表示

図:JW_CADでのラベルの表示

縮尺

JW_CADではDXFの縮尺要素を正しく読み込めないので、縮尺を修正する必要があります。
今回試した地図では、出力したDXFファイルの出力より1000分の1の縮尺で表示されてしまいました。(たぶんm単位がmm単位に解釈されている?)
ですので、JW_CADの場合は、次の方法で表示縮尺を修正します。

右下の縮尺をクリックして、「全レイヤグループの縮尺変更」にチェックを付け、正しい縮尺を入力します。
「縮尺変更時」を「図寸固定」にチェックを付けて、「OK」ボタンをクリックすると縮尺が修正されます。

QGISでDXFで出力するときに、寸法がわかる地物を入れておくと、縮尺の変更をスムーズに行えると思います。

DXFファイルには線色や線幅も記録されている

JW_CADでは線色や線幅をうまく再現できませんでしたが、DXFファイル自体には線色や線幅が記録されています
DXFファイルをテキストエディタで確認するとラインを表す部分に、

LWPOLYLINE
  5
86
  8
道路
100
AcDbEntity
100
AcDbPolyline
  6
CONTINUOUS
420
  2786
 90
    18
 70
   128
 43
0.46000000000000002

というコードがあります。

420
  2786

コード「420」が線の色(TrueColor)を表す部分で、「2786」はRGB値を10進数で表現したものです。16進数にすると「0x000AE2」でHTMLだと「#000AE2」(濃い青色)になります。

 43
0.46000000000000002

コード「43」が線の幅を表す部分になります。QGISで設定した線幅がそのまま記録されています。
CADの種類によっては、このDXFの線色、線幅をそのまま読み込めるものもあるかと思います。
AUTOCADでは色や線幅の再現性が高くなるかもしれません。

まとめ

QGISで作成した地図を、CADの位置図や平面図に使用したい場合は、DXFで出力します。
DXFは昔からあるCADの汎用ファイルフォーマットですので、大抵のCADで読み込むことができるはずです。
CADによって再現できる図形の要素は違うと思いますので、ご使用のCADでどこが再現できるか確かめながら、図面を作成してみてください。
特にCADによっては線色や線幅は再現できない場合があるので、線幅が違う場合には、QGISでレイヤを分けておくなど工夫が必要です。

記事編集:喜多耕一


==================

【QGIS講習会を実施しています】

エアロトヨタでは、自治体向けのQGIS講習会を実施しています。
初級者向け、中級者向けのほか、防災、都市計画、林業などの専門的な内容もお受けします。
「職場でQGISを使いたい」「QGISの操作方法を知りたい」「QGISでデータ分析したい」などがありましたら、ぜひエアロトヨタにご相談ください。
豊富な講習経験のある講師が、親切丁寧な講習を行います。
民間企業の方もお気軽にお問い合わせください!

エアロトヨタ QGIS & A
自治体業務で使うQGIS活用講座 研修紹介 ダイジェスト版(Youtube)

Other Columnその他のコラム

コラム一覧を見る

TOP